手持ちツールで μ-210 光軸調整

星雲や星団を拡大撮影するためにミューロン + QHY268M を使用して撮影していますが、周辺の星像にコマ収差がありなかなか満足した結果が得られていません。バックフォーカスを調整してみたのですが、それほど改善しているわけではないようです。冷静に考えてみると、バックフォーカスの問題ならば 上下左右 の周辺の星像全体にコマ収差が現れるはずですが、右側の星像のコマが顕著だったので方ボケ状態であることに気が付きました。

光軸調整に下記の レーザーコリメーター を使用します。

  • Howie Glatter Laser Collimator 2″ 635nm
  • Howie Glatter Laser Concentric Circle Holographic Attachment

レーザー光が綺麗な同心円になるように 副鏡の角度を3本の押しネジ使用し調整します。今まではこれで完了だと思ていました。理由は ムーンライト フォーカサー は3点止め 方式なので傾いて装着される可能性は低いと思っていたからです。しかしほんのわずかな隙間があるせいで、この3点ねじが均一に締まっていないと傾きが生じ、 レーザーコリメーターを回転させると放射状のレーザーの像が崩れてしまうことがわかりました (中心部の円がずれていく状態)。私の環境の場合、3点ねじの締める順番 (上→右→下) を一定にすることにより、ムーンライトフォーカサーの回転機構を使用し回転させてもレーザーの像が崩れず、中心が一定になるようです。

次に HOTECH Laser Collimator を使用して 副鏡に反射したレーザー光が中心位置に戻っていることを確認しました。

手持ちのツールで可能な光軸調整は以上ですが、実環境ではどのようになるか気になるところです。

M2 (NGC7089) 球状星団

7月16日に関東甲信越地方で梅雨明けが発表されましたので、最新版の KStars と PHD2 を使用し撮影しました。前回の撮影から1ヶ月以上経過しているので、 ベランダに設置してある電子機器が正常に動作するか若干心配だったのですが、特に問題ないようです。

Stella Solver による Plate Solving も問題ないようですし、最新の 正式リリース版で利用可能となった Multi-star guiding option も問題ないようです。

この時期、自宅ベランダに設置の観測所から最適な対象物は 木星と土星なのですが、QHY265M のテストを兼ねて 同じ方向の M2 を撮影しました。使用したフィルターは Baarder の Clear と Ha です。残念ながらコンポジットした星像は綺麗な丸ではなく若干流れているので、球状星団の粒々感はうまく表現できていません。光軸は合わせたはずなので、BKPの鏡筒によくあるカメラ装着時のスケアリングの問題でしょうか? もう少し詳細に確認する必要があります。

7/17/2021 0:00 、M2 、CFP200、赤道儀 G11 OnStep+MacOSX版 KStars 、 QHY268M、Gain 56 Offset 25、 Clear フィルター、30 sec x 10枚 、ソフトBinX2、SIでデジタル現像後、階調補正、 撮影場所:自宅のベランダ

7/17/2021 0:10 、M2 、CFP200、赤道儀 G11 OnStep+MacOSX版 KStars 、 QHY268M、Gain 56 Offset 25、 Ha フィルター、180 sec x 10枚 、 ソフトBinX2、SIでデジタル現像後、階調補正、 撮影場所:自宅のベランダ

2021年7月18日 追記

CFP200 は f/800 なので M2 でもかなり小さくなります。惑星の季節でもありますので常設の鏡筒を μ-210 に変更し昨晩と同様に M2 を撮影してみました。中心部の像はかなり粒々感が表現できるようになりましたが、周辺像は若干流れています。これはRC用のReducerと撮影素子とのバックフォーカスがまだ最適でないという理由からくるものだと思いますので、最適な値を調査する必要があります。

7/18/2021 1:37 、M2 、 μ-210 + CCD47 レデューサー、赤道儀 G11 OnStep+MacOSX版 KStars 、 QHY268M、Gain 56 Offset 25、 Clear フィルター、45 sec x 6枚 、ソフトBinX2、SIでデジタル現像後、階調補正、 撮影場所:自宅のベランダ

—– 補足 —–

TS-Optics CCD47 Reducer for RC の標準のバックフォーカスは 85mm ですが、F8-F10 鏡筒 でバックフォーカスは 70-90mm で有効に働くと記載してあります。そこでこれまでの 85mm から 90mm に長くしてみました。この変更により焦点距離が 1929mm (F9.2) から 1870mm (F8.9) になりました。 中心部から外周にむけて画質は改善されまいたが、右側の星像に若干コマが見られます。μ-210 は Moonlite Focuser を使用しているので、カメラが傾いて装着される確率は低いので、おそらく光軸がわずかにずれてる可能性があります。 μ-210 の場合拡大撮影が目的で、中心画像がメインなので、調整はこのこれで完了としたいと思います。

7/18/2021 21:19 、Vega 、 μ-210 + CCD47 レデューサー、赤道儀 G11 OnStep+MacOSX版 KStars 、 QHY268M、Gain 56 Offset 25、 Clear フィルター、10 sec x 1枚 、SIでデジタル現像後、階調補正、 撮影場所:自宅のベランダ

KStars 3.5.4 stable & PHD2 2.6.10

今年は 6月10日 に撮影したのが最後で、それ以降全くチャンスがありません。この天候なので仕方がないですね。そのような時は機材整備に最適なのですが、ちょうど KStars 3.5.4 stable 版 と PHD2 2.6.10 がリリースされていました。そこで MacOS版 と Linux版 ともに入れ替えてみました。

MacOS版 の KStars 3.5.4 stable 版 は M1 MacBool Air でも日本語表示が可能になっていますし、PHD2 は development snapshot build ではなく正式リリース版でも Multi-star guiding option が利用可能になっていました。導入後室内で立ち上げてみましたが、カメラは正常に動作しているようなので、あとは天候の回復を待つのみです。

CATSEYE Collimation Tool

昨日の撮影で星像が丸く写らなくなってしまったので、久しぶりに光軸調整を行いました。2014年3月に購入したCatseye の Collimation Tool ですが、たまにしか使用しないので使い方を忘れてしまっています。そんな時は Youtube の Catseye Collimation Tool の動画を見ながら思い出します。当時は個人輸入するしか入手方法がなかったのですが、現在は日本でも購入可能のようですね。Infinity XL でセンタリングを調整した後、Infinity XLKP では Primary image, 2nd image, 3rd image が一致するように調整するのですが、最初のころはこつがつかめず悪戦苦闘していました。 最近は 30分程度で調整がすることができるようになったので重宝しています。3番目の画像のマークは一つしか見えませんが、3つの画像が重なっていますので一つに見えます。

2021年6月11日 追記

晴れたので早速M13を使用して光軸調整の結果を検証してみました。 完全ではありませんが比較的きれいな同心円を描いています。欲を言えばもう少し追い込めそうですが、私のスキルレベルと撮影環境では十分満足しています。

6/10/2021 20:36 、M13 、CFP200、赤道儀 G11 OnStep+MacOSX版 KStars 、 QHY268M、Gain 56 Offset 25、 Ha 7nm フィルター、300 sec x 1枚 、SIでデジタル現像後、サイズが大きいので x2 ソフトビニング、階調補正、 撮影場所:自宅のベランダ

M16 (へび座 わし星雲) – QHY268M ナローバンド撮影

今年の入梅は早いといわれながら、雨が降り続くわけでもなく曇りの日が続いており、いまだに気象庁から発表されていません。したがってQHY268Mを使用した本格的な撮影ができないまま1ヶ月以上経過してしまいました。

ようやく晴れの日がやってきたのですが、空が若干明るいので撮影にはナローバンドフィルターを使用しました。 Ha、 OIII、 SII、 いずれも 300sec の露出時間でそれぞれ4枚づつ撮影しコンポジットしています。QHY268M + EFW はこれまでのカメラに比べ重量があるので、注意しないと傾いたまま装着されてしまいます。SkyWatcher の鏡筒の接眼部分は隙間があいていて遊びがあるのが原因だと思います。おまけに2点止めなので傾いたままでも固定されてしまいます。この点は要改善です。残念ながら若干傾いて装着されていたようで 今回の星像は まるではありません。

QHY268M は高感度で良いカメラだと思います。私の場合ナローバンドを使用する機会が多いので Gain 56 Offset 25 を設定しています。1点ほど室内で色々テストして気が付いたのですが、KStars から使用している際に何らかの理由で KStars を再起動する必要がある場合、QHY268Mの電源も合わせて入れなおした方が安定稼働するようです。

6/10/2021 2:30 、M16 、CFP200、赤道儀 G11 OnStep+MacOSX版 KStars 、 QHY268M、Gain 56 Offset 25、 Ha 7nm フィルター、300 sec x 4枚 Composit 、SIでデジタル現像後、階調補正、 撮影場所:自宅のベランダ

なぜか OIIIフィルターの画像とSIIフィルターの画像 にゴーストが現れてしまい AOO 合成画像と SAO 合成画像 に写ってしまいました。

旧フォーカスモーターの活用

いつ購入したかも覚えていない「汎用電動フォーカサーKHM」は Sky Watcher フォーカスモーター と同等製品だと思います。もともと、フォーカス調整時に誤って鏡筒の向きをずらしてしまうのを防止するのが目的で購入したつもりだったのですがほとんど使用することなく死蔵状態でした。

Sky Watcher の鏡筒には標準の取り付け方法で問題ないのですが、Dual speed の 微動機能を利用するためにはカップリング (軸径 3mm から外径 8mm への変換)が必要になります。このカップリングは意外と高くて約2,000円もするため別な装着方法を考えました。

今回は OnStepのプロジェクトで余ったタイミングプーリーやタイミングベルトがあるので、そのパーツを利用することにしました。フォーカスのコントローラーを室内で操作するためにはコントローラーのケーブルを延長する必要があるのですが、某巨大通販サイトで激安ケーブルを見つけたので追加購入しました。これでベランダに設置した鏡筒のフォーカス調整のために室内とベランダを何度も往復することなくすべて室内で作業ができます。

使用したパーツリスト

  • タイミングプーリー (60歯、ボア8mm、6mm幅ベルト用) x1 
  • タイミングプーリー (20歯、ボア5mm、6mm幅ベルト用  注:ボアを6mmに拡張する必要あり) x1 
  • 幅6mmのタイミングベルト (とりあえず 88歯になるように短いベルトをつなぎ合わせて工作) x 1
  • RJ9 4P4C 伸縮性ハンドセットコード (最大長 4m)

モータースピードの 減速比 は 1/3 ですが、スピードを中速にしておくと ボタンをワンプッシュするだけでちょうど良い微動になりました。おぉ、楽ちんです。

本日は残念ながら 肉眼で Vega がかろうじて確認できる程度の曇り空なので、Focus調整 -> Plate Solving -> PHD2 auto guide -> QHY268Mで撮影 と一通りテストが完了した時点で終了です。

5/26/2021 1:26 、Vega 、CFP200、赤道儀 G11 OnStep+MacOSX版 KStars 、 QHY268M、Gain 56 Offset 25、 Clear フィルター、30 sec x 1枚、セルフFlat補正、SIでデジタル現像後、階調補正、 撮影場所:自宅のベランダ

INDI & QHY268M

2013年8月以降 ATIK383LをMono CCD カメラ のメインとして 使用してきましたが、今回 QHY268M を購入しました。QHY268M は結構大きく FS-60C と同じ程度の太さがあります。あいにくの天候なので日中の動作確認のみです。EFW は現行のものを流用し, Ubuntu 20.04.2 LTS + KStars 3.5.3 stable 版で問題なく動作することを確認しました。(注: KStars 3.5.2 stable 版はQHY268M のサポートがまだ なので、MacOS版は3.5.3 のリリースを待つ必要があり)

テストはベランダから見える いつもの電力塔です。FS-60C + BORG7885 Reducer + ZWO EFW-7 36mm を使用し Ha + Kenko ND8 + 露出 0.5秒 で撮影し、INDI 環境で QHY268M の冷却機能、露出時間、ビニング 等の動作確認を実施。 QHY268M は APS-C サイズの素子ですが 36mm のフィルターでも特にけられることがないことが確認できたのでよかったです。

 

2021年5月4日 追記

Ubuntu 上の環境で Update を実行すると、Ubuntu 本体に加えて KStars と PHD2 両方が自動的に Update されてしまいます。いつもの手順で撮影しようとすると下記の問題に遭遇してしまいました。

  1. Update により Ubuntu 上で Serial Device を監視している Modem Manager がまた再導入され、USB-Serial 接続が不可となる。$ sudo apt-get remove modemmanage コマンドで削除
  2. PHD2 が 2.6.9 dev5 になってしまい、KStars の Auto-Start 機能を使用して起動すると既に起動済みのエラー発生。仕方がないので個別スタート方式に変更してようやく立ち上がるようになったが、下記の様にガイドが時々あばれる。(5月6日 に Ubuntu 版の Update を再度実行すると KStars 3.5.3 statble 版の一部が更新され、正常に起動するようになりました)

KStars 3.5.3 stable 版 は対象物に結構リアルな画像を表示してくれるので、試し撮りをしたのちカメラを回転させると下記のような配置で撮影することが容易になります。何とか1枚撮影しましたが、QHY268M の素子とBORG7885 Reducer との間隔が適切でなかったのか、周辺の星像が流れています。

5/4/2021 4:12 、NGC7000 & IC5067-70 、FS-60C + BORG 7885、赤道儀 G11 OnStep+Ubuntu 版 KStars 、 QHY268M 、Gain 56、Offset 25 、Hα 7nm フィルター、180 sec x 1枚、Flat補正なし、SIでデジタル現像後、階調補正、トリミングなし、 撮影場所:自宅のベランダ

 

2021年5月5日 追記

MacOS も KStars 3.5.3 stable 版 がリリースされていましたので早速入れてみました。MacOS は個別に Install できるので PHD2 は 2.6.9 dev4 のままにしてあります。室内のテストでは問題なさそうなので、次に晴れたら MacOS 版でテストする予定です。

2021年5月9日 追記

MacOS KStars 3.5.3 stable 版 の Caputure Module のCooling 動作です。

  1. ディフォルト値として Temperature 0.00, Cooler On, Cooler Mode Auto を設定してあるので、開始直後の状態です。

2. 強制的に Cooling Off にすると温度はどんどん上がっていきます。Cooling Off にすると Cooling Mode は Manual になってしまいます。

3. 再度 Cooling On にすると、 Cooling Mode は Auto になり温度はすぐに下がっていきます。

北アメリカ星雲 & ペリカン星雲 / Hα 7nm

Hα 7nm フィルターを使用した 北アメリカ星雲 (NGC7000) と ペリカン星雲 (IC5067-70) です。対象物が大きすぎて CFP200 の鏡筒では ATK383L+の画角に入りきらないので、急遽 FMA180 を CFP200 の上部に搭載し撮影しました。バックフォーカスの調整に時間がかかってしまったために 300sec x 4 の撮影になってしまい 画質はそれほど良くありませんが、次回の撮影の撮影条件を取得することができたので、これから春 ~ 夏にむけて何度か挑戦することができると思います。

以前から撮影に使用している MacBook Pro (Late 2011) は酷使しているせいか CPU冷却ファンが常に回転していてうるさいので、ファンレスの M1 MacBook Air 2020 に移行しました。KStars 3.5.2 および PHD2 2.6.9 dev4 (64bit) は特に問題なく動作しますが、日本語への切り替えがうまくいきませんでした。まあ特に問題ないのでこのまま使用しますが、そのうちにFix されるでしょう。

3/24/2021 3:00 – 2/24/2021 3:30 、NGC7000 & IC5067-70 、FMA180 、赤道儀 G11 OnStep+MacOSX版 KStars 、 ATIK383L+ 、Gain – 、 Hα 7nm フィルター、300 sec x 4枚、Flat補正なし、SIでデジタル現像後、階調補正、トリミング、 撮影場所:自宅のベランダ

M16 (へび座 わし星雲) – ナローバンド撮影

毎年春先に撮影している M16 ですが、今朝は黄砂のせいか眠い画像になってしまいました。撮影条件は Mono CCD カメラは ATIK 383L+、鏡筒は μ-210 + TS-Optics Optics 2″ CCD47 Reducer 0.67x for RC、0 ℃ まで冷却、Clear、 Ha、 OIII、 SII、 の 露出時間 は すべて 180 sec です。

Clear フィルターではかなり強調しても浮き上がってきません。

さすがにナローバンドフィルターは強力です。2019年に撮影した M16 に比べ露出時間が短いので画質はいまいちですが、時間をかけていけば何とかなりそうです。

Mono CCD カメラで各種フィルターのテスト (Part2)

M57 で前回と同様のテストを実施してみました。撮影条件は Mono CCD カメラは ATIK 383L+、鏡筒は μ-210 + TS-Optics Optics 2″ CCD 47 Reducer 0.67x for RC、0 ℃ まで冷却、Clear、Red、 Green、 Blue の 露出時間 は 180 sec、 Ha、 OIII、 SII、 の 露出時間 は 300sec + 180 sec です。

各種フィルターによる画像

各種 合成画像