いつも貴重なネタを提供していただいている方のブログで AZ-GTi の紹介記事を拝見し、お手軽観望に最適な機材の予感がしましたので、さっそく試してみました。
SynScan WiFi を導入する際に 既に Android 6.0 タブレット (Nexus 7 2013) に SynScan Pro とSkySafari 5 plus を導入済みなので、 今回は一部のパラメーター設定することですんなり動作しました。本日は天候が悪く実際の星を使ってテストしたわけではありませんが、赤道儀より扱いやすいと思います。時間がとれたらオートガイドが可能かどうか調査したいと思います。
使用方法の概略
取扱説明書に従って AZ-GTi を組み立てます。鏡筒 FS-60C (CB改造) をホームセンターで購入したステンレスL型アングルプレートで装着します。
1. Android タブレットのWiFi の設定で AZ-GTi のSSID を選択します。その際に詳細設定の選択し IPアドレスの情報を入手しておきます。
2.IP アドレスは 192.168.4.2 でした。
3.SynScan Proを立ち上げ、 接続するを選択します。
4. 初回は赤道儀か経緯台か聞かれるので、経緯台を選択します。接続後メインメニューに戻り、アライメントを選択したのち 2-Star Alignment あるいは Bright Star Alignment を行います。
5.次にSky Safariを起動し、Settings のメニューから Telescope → Setup を選択し接続のための情報を入力します。1台の Android 6.0 上でSynScan Pro と SkySafari 両方を稼働させる場合, IP アドレスとして ループバックアドレス(127.0.0.1) を使用することが可能ですが、2台の機器で稼働させる場合はステップ2で取得した IPアドレスを指定します。 (既に設定済みの場合はこのステップをスキップ)
6. Sky Safari のConnect ボタンを選択すると Sky Safari 5 Plus → SynScan Pro → AZ-GTi 経由で接続されます。あとは、対象物をポイントして正しく認識されたら、GoToボタンで自動導入するだけです。
2018年8月14日 追記
PHD2 によるオートガイドを実験してみました。結論からいうと可能です。私の AZ-GTi はまだ経緯台モードなのでオートガイドまでは実施していませんが、PHD2からAZ-GTiのマウントが接続できて、キャリブレーションまで進むことができました。つまりPHD2がWiFi経由で正常に通信できているということになります。
方法:
1. AZ-GTi 内臓のWiFi を利用する場合:オートガイドのガイドケーブルをRJ12のコネクターをAZ-GTi のハンドコントローラーのポートに接続する。
SynScan WiFi を利用する場合: SynScan WiFi はAZ-GTi 内臓のWiFi と同じ機能のものです。SynScan WiFi をAZ-GTi のハンドコントローラーのポートに接続する。その際にケーブルはSynScan WiFiに同梱されているRJ45 – RJ12のケーブルを使用する。RJ45のコネクターをSyncScan WiFi のポートに、RJ12のコネクターを AZ-GTi のハンドコントローラーのポートに接続する。(補足:この方法はKenko Explorer SE II にSynScan WiFi を接続する場合に利用できるので、一応試してみました)
2. Windows 版のSynScan Pro を入手しWindows PC に導入する。
https://inter-static.skywatcher.com/downloads/synscanpro_windows_191.zip
3. ASCOM Driver for SynScan App Version 1.2.2 を入手しWindows PC に導入する。
https://inter-static.skywatcher.com/downloads/setup_synscan_app_ascom_driver_version_122.exe
4. SynScan Pro for Windows を立ち上げ、 AZ-GTi (または SynScan WiFi) に接続する。PHD2 を立ち上げて機器のプロファイルのマウントのパラメターに SynScanMobile Telescope (ASCOM) を設定する。
5.オートガイドに使用する恒星を選択しガイドを選択するとキャリブレーションが始まる。以下は通常の PHD2 でオートガイドをする手順と同じ。
2018年8月26日 追記
Sky Safari による自動導入の機能をそのまま維持したかったので、PHD2によるオードガイド用としてハンドコントローラー用にポートに SynScan WiFi を接続し別系統の通信経路を確保しました。補足ですが AZ-GTi の WiFi を使用してもオートガイドは動作します。
下記のPHD2のスクリーンショットは経緯台の設置 (AZ-GTi を水平に設置) でオートガイドした場合の状態です。約2.6秒の範囲で補正が行われています。(ガイド鏡 f/130mm )
下記のPHD2のスクリーンショットは赤道儀の場合と同様に極軸を合わせた状態 でオートガイドした場合の状態です。約1.2秒の範囲で補正が行われています。確かにこちらのほうが精度は上がりますが、お手軽モードではなくなりますのでここまでは必要ないかなという感じです。(ガイド鏡 f/130mm )