Linux KStarts+Ekos 導入 (備忘録)

我が家の KStars+Ekos のシステムは StellarMate版、Ubuntu版、MaxOSX版、AstRPi版 と増殖してきました。StellarMate版 と AstRPi版 は導入ガイドがあるので、再導入の際に苦労しないのですが、Ubuntu版 や MaxOSX版 は調べながら導入したので、忘れないうちに備忘録として残しておこうと思います。ただし一番安定している MaxOSX版は試行錯誤し、わかりにくいですがすでに記録にのこしているので こちらこちら を参照ください。

Linux 版は不要のPCがあれば追加費用無しで どなたでもお手軽に利用できますので、私の備忘録を兼ねてブログに記録しておきます。

Linux版 (Ubuntu 18.04.4 Desktop) の導入

“Ubuntu 18.04 Desktop インストール” をネットで検索すれば、わかりやすいステップ-バイ-ステップの導入ガイドが見つかるので、その手順に従って導入します。

KStars+Ekos の導入

KStars の サイト の Lunixのセクションを参考に導入します。時間はかかりますが下記の3つのコマンドを実行するだけです。

$ sudo apt-add-repository ppa:mutlaqja/ppa
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install indi-full kstars-bleeding

ASTAP の導入

ASTAP Web Site から 下記の2つのファイルを Download し File を Double Click し導入します。

Readme: Packages are provided for four Linux versions:astap_amd64.deb, debian package for PC’s with 64 bit Linux. For astrometric solving also download and install the G17_star_database_mag17.

  • astap_amd64.deb
  • g17_star_database_mag17_astap.deb

PHD2 の導入

下記の2つのコマンドを実行し導入します。

$ sudo add-apt-repository ppa:pch/phd2
$ sudo apt-get update 
$ sudo apt-get install phd2

VNC の有効化

下記のコマンドを実行します。

$ gsettings set org.gnome.Vino require-encryption false

次に画面共有をアクティブにします。

Google Chrome VNC 等を使用して簡単にアクセスできます。

Ekosの設定

Ekos の設定はこちらを参照

astrometry.net は既に含まれているので導入する必要はありませんが、Plate Solving がどの鏡筒 (正しくは様々なFOV) でも正常に稼働するためには Index を追加導入する必要があります。

  1. Allignment の画面を表示
  2. Options の画面を選択
  3. Astrometry.net の Option の Index 画面で必要なFOVの すべての Index を Download する。すべて選択すると 30GB 程度 Download するので時間がかかるので要注意

INDIのシミュレーションドライバーによる表示シュミレーション

CCDシミュレーションと内蔵のGSCインデックスファイルを利用すると事前に撮影のシミュレーションが可能です。私は Ubuntu 18.4.4 を使用しているので Jasem Mutlaq さんの “INDI Stable Builds” から 下記の Driver を download して Install しました。

  • gsc-data_1.3~ubuntu18.04.1_all.deb (194.2 MiB)
  • gsc_1.3~ubuntu18.04.1_amd64.deb (18.7 KiB)

KStars の Profile に CCD Simulator を設定しSimulator を起動します。下記の例は M20 を検索し Simulate eyepiece view を表示した例です

INDI ベースの 撮影環境

デジタル一眼レフ(EOS Kiss X5)を使用していたころは、ステラナビゲーターで対象物を導入してBackyardEOSで撮影するというスタイルでしたが、冷却CCD/冷却CMOSカメラを使用するころから、SkySafariで導入しSharpCapあるいはAPTで撮影するようになってきました。このころは赤道儀の制御と撮影は別システムだったのですが、2019年に INDI ベースの StellarMate を試したのをきっかけに、 それまでの Windows ベース のシステムから Linux および MacOSX 上の INDI ベースの システムで赤道儀の制御および撮影両方を行うスタイルに移行しました。INDIベースの KStars+Ekos および PHD2 なので、Plate Solving による アライメントおよび自動導入, PHD2 による Auto Guiding が同じ操作で実施可能となっています。

  1. 主力機 – MacBook Pro (Late 2011) MacOS High Sierra 10.13.6, KStars 3.3.9 (Build 2020-01-02T02:30:09Z) PHD2 2.6.6, Losmandy G11 を OnStep で制御, OnStep Controller と INDI サーバーはUSB接続
  2. バックアップ機 – ThinkPad X230 Ubuntu 18.04.4 LTS, KStars 3.4.1 (Build 2020-02-23T18:06:07Z), PHD2 2.6.7, Losmandy G11 を OnStep で制御, OnStep Controller と INDI サーバーはUSB接続
  3. AZ-GTi専用機 – Raspberry Pi 3B+ StellarMate 1.5.1, KStars 3.4.1 (Build: 2020-02-23T19:46:30Z), PHD2 2.6.7, EQDirect Cable でUSB接続  
  4. SkyExplorer SEII (HEQ5) 専用機 – Raspberry Pi 4B AstRPi, KStars 3.4.2 (Build: 2020-04-13T21:01:23Z), PHD2 2.6.7, EQDirect Cable でUSB接続
Raspberry Pi 4B AstRPi

共通の Hints & Tips

  1. Camera 等 USB経由で接続する機器が多いですが、USB3.0/3.1 で接続するより USB2.0 で接続するほうがシステムは安定しています。Plate Solving の際に画像を取得し Download する必要がありますが x4 Binning mode で撮影した画像を使用するように設定すれば 数秒でDownloadできるので速度上問題にはなりません。USB2.0ハブは ACアダプタ付を使用しています。
  2. Home Position の機能があてにならないので使用していません。私は下記の方法で Plate Solving を実施しています。

A. 赤道儀の電源On後、ファインダーで撮影する一番近くの恒星を導入します
B. KStars の Mount でアライメント用の恒星を指定します
C. Mount の Goto機能を動作させた後ですぐに停止を押して赤道儀の移動を止めます。もう一度ファインダーで恒星の位置を確認しておきます。
D. Mount の Sync ボタンで KStars と 実際の恒星の位置 (座標) 合わせをすれば アライメントとしてはOKです。この操作で KStars は大まかに位置(座標)を記憶します。
E. KStars の Mount で Target に対象物を設定して Plate Solving 実行すればほぼ問題なく中心にPositioning されます。

MacOSX で KStars + OnStep (Local Plate Solver)

T-Studio さんの情報をもとに試行錯誤した結果、Local に Install した astrometry.net を使用して Plate Solver が使用できるようになりました。

実施した Install 手順を整理すると下記の通りになりました。

  1. KStars のサイト から KStars 3.3.9 DMG Installer を Download しInstall する。
  2. MacOSX用 Package Manager である Homebrew を Install する
    参考にした手順はこちら
  3. Homebrew を使用して Python3 を Install する 
    手順 terminal を開いて “brew install python” を実行する
  4. Homebrew を使用して astrometry.net を Install する
    手順 terminal を開いて “brew install astrometry-net” を実行する
  5. KStars, Ekos, を立ち上げ、Ekos allignment module の option から Astrometry.net の 設定画面を表示する
    参考資料にした手順はこちら

GoTo機能 で Alkaid 導入後、Plate Solving を実行した結果、自動で 3回 Solver を繰り返した後問題なく Alkaid が Screen の中心になるように移動しました。その後 Alkaid を使用して Focus を合わせます。

M51 をTarget に再度 Plate Solving を実行し30枚撮影する Caputure Sequence を実行した後は暇なので晩酌しながら撮影が完了するのを待ちます (ベランダ撮影の醍醐味?)

今回は日中に光軸調整とスケアリング調整をしましたし、ガイドも安定したので星像はかなり改善され丸くなりました。しかし露出 60sec だとまだノイズが多いようです。撮影環境が整ってきたので、次の課題は画像処理の改善です。 

2/4/2020 0:30-2/4/2020 1:05 M51 (子持ち銀河) , CFP200 + TS-Optics NEWTON Coma Corrector (0℃), 赤道儀 G11+OnStep, ASI294MC Pro, L フィルター、感度 300、60 sec (1×1ビニング) x 30枚をコンポジット、Flat補正、SIでデジタル現像後、階調補正、 撮影場所:自宅のベランダ

2/4/2020 1:13-2/4/2020 1:43 M101 (回転花火銀河) , CFP200 + TS-Optics NEWTON Coma Corrector (0℃), 赤道儀 G11+OnStep, ASI294MC Pro, L フィルター、感度 300、60 sec (1×1ビニング) x 30枚をコンポジット、Flat補正、SIでデジタル現像後、階調補正、 撮影場所:自宅のベランダ

MacOSX で KStars + OnStep

これまで Raspberry Pi 3 Model b+ に StellarMate を Install し, その後 ThinkPad に Ubuntus 18.04.3 + KStars を Install し 撮影環境の安定化と操作性の改善を図ってきました。ここまで来たら やはり MacOSX で KStars でしょう。T-Studio さんのアドバイスもあり 早速 Install してみました。

KStars 3.3.9 DMG Installer を KStars の サイト から Download し Install。MacOSX 用の PHD2 2.6.6 を PHD2 のサイト から Download し Install します。あとは Linux の KStars の 設定方法 と 同じです。あいにく天候が下り坂なので実践投入は天候が回復してからになりますが、Losmandy G11 + OnStep の制御は作動しているようです。

ここまでくると撮影より ガジェット のほうがメインになりそうです (笑)

補足: Instein Astro の OnStep Main Drive には COM1 に CH34X USB-Serial のチップセットが使用されています。USBケーブルで接続するためには、この MacOSX 用のチップセットのDriverを 追加で Install する必要があります。Driver Install 後に Ekos の Mount の USB接続が可能となります。今回はここで少しはまりました。Ekos の Mount の設定は下記のとおりです

Connection Mode : Serial 
Port :  /dev/cu.wchusbserialfd12130   

Losmandy G11 の OnStep 化

スペインからOnStepのMain Drive と Stepping Motor が到着したので、早速装着し動作テストを実施しました。

既存の Losmandy G11 の Digital Drive Board と Stepping Motor を取り外し OnStep 用のMain Drive と Stepping Motor に交換します。

Android 端末にOnStep Controller2 をInstall し 192.168.0.1:9999 にアクセス後、Location と Local Time(UTC +9:00) を設定します。

試しに GoTo 機能を使用して Capella に移動します

GoTo機能が正常に作動しているか確認するために、今まで使用していた Encoder + Nexus + SkySafari を使用します。SkySafariをNexus 経由でG11に接続したのち、 同様に Capella を使用して Alignment を行い位置合わせをします。

次に Android 端末上の OnStep Controller2 の GoTo 機能を使用して Algol に移動します

OnStep の GoTo により SkySafari のターゲットが Capella から Algol に移動するのが SkySafari の画面でも確認できました。OnStep Mail Drive と Stepping Motor は正常に機能しているようです。

次に INDI + Ekos から OnStep を制御可能となるように設定します。通常は INDIサーバー と OnStep のコントローラー は WiFi 経由で接続するようですが、これまでの経験からUSB接続のほうが安定しているので、USBケーブルで接続することにします。INDIサーバー側の設定は Device として LX200 OnStep LX200 Classic を選択し Port として USB を設定すれば正常に接続されます。

あとは実環境でこれまで使用してきたINDI + Ekos の機能が Losmandy G11 OnStep マウントが利用できることを確認すればよいのですが、あいにくの天候なのでもう少し後になると思います。

今回使用した OnStep の参考資料

KStars+Ekos を使用した Plate Solver

オヤジさんとT-Studioさんに KStars+Ekos に含まれる Plate Solver のノウハウを教えていただいたので、早速テストしてみました。

  1. Ekos に接続した iPhone 上の SkySafari から Sirius を Point して GoTo
  2. Ekos の Alignment 画面 で ASI294MC の x4 Binning mode に設定
  3. Solver Control 画面で Capture & Sync を実行

わずが 2秒で Solver を完了し望遠鏡の位置をSyncしてくれました。ポイントはBinning mode の小さめの画像を使用することと、Local にInstallした Astrometry.net をすることのようです。これまでは Losmandy G11 を使用して手動で恒星を導入し、ATPで撮影しながら中心に移動していたので、 Alignment 作業に30分程度かかっていたのがわずか 2秒で完了です。

PHD2 の Calibration を始めたところでまた雲がどんどん流れてきたので、本日のテストはこれまでとし撤収 しました。(電源をOff にして観測所の蓋をするだけです) 

INDI with SkySafari

晴天の日も1日で終わってしまい、今日はまた曇天に逆戻りです。せっかく早朝に起床したのでSkySafari 6 Pro を INDI サーバーに接続してみました。

Ekos の Auxiliary Device として SkySafari を Profile に登録します。その際に SkySafari Device の Option tab に Mount Name として EQMod Mount を 設定しておきます。この名前が一致しないと後で iOS あるいは Android から接続した際に “Please make sure the mount name is set in the Options tab” というエラーで怒られます。

iOS あるいは Android の SkySafari 6 Pro のSettings で Scope Type に Mead LX200 GPS/ACF, LX600 を設定します。IP Address は INDI マシンのLocal IP Address を設定し Port Number に 9624 を設定し接続します。

後は通常の SkySafari の操作と同じです。対象物を指で選択し GoTo を押すと望遠鏡は対象物に向けて移動します。KStars のScreenも同時に反映されるので非常に使いやすいと思います。

設定に際し下記の情報を参考にしました。

SkySafari の設定

INDI on Ubuntu 18.04.3 (撮影)

天候が回復しようやく試験ができる日がやってきました。赤道儀をLosmandy G11からSkyExplorer SEII (HEQ5) に交換したので極軸合わせからやり直しです。極軸合わせにはPHD2のドリフト法による極軸調整を利用しています。久しぶりなので極軸合わせに2時間も費やしてしまいましたがなんとか完了しました。

オートガイドは若干ふらついていますが鏡筒が BKP130 なので許容範囲だと思います。右の画像は Ekos の Mount controller で Procyon を導入したのちフォーカス調整をした結果です。

次に Mount controller でM44を導入しSolverのテストを実施してみました。SolverのIndexはすべてLocalにDownloadしてありますので Solver Control の画面の Capture & Solve の機能を使用すると問題なくM44を認識した後、M44の中央に移動後 カメラの画角と傾きを表示してくれました。

CCD & Filter Wheel の画面で撮影シーケンスを入力し実行させ、60 sec x10 撮影してみました。

フラット補正をしていないので周辺減光はありますが、コマはきれいに補正されていて TS-Optics NEWTON Coma Corrector が有効に働いています。寒い冬ですがお手軽な撮影環境なので、しばらくこのまま設置したままにしようと思います。 Linuxの環境は一旦構築すると安定してサクサク動いてくれるので 気持ちが良いです。画像処理はWindows上で行っていますが、この辺はしかたないかなと思っています。

11/30/2019 2:30 – 3:00, M44, BKP130 + TS-Optics NEWTON Coma Corrector (冷却なし), 赤道儀 HEQ5, ASI294MC Pro, Cフィルター+ IDAS LPS-V3フィルター、感度 200、60 sec (1×1ビニング) x 10枚をコンポジット、 SIでデジタル現像後、階調補正、 撮影場所:自宅のベランダ

追記:一通り設定が完了した後は、熱燗を飲みながら 部屋の中から 撮影してました。寒い冬場はこの方法がいいですね。

INDI on Ubuntu 18.04.3 (Dual Boot の設定)

ThinkPad を立ち上げた際の Boot Selection Menu です。Default は Ubuntu が起動されますが、カーソル移動で Windows 10 を選択することも可能です。

なんとか Kenko Explorer II (HEQ5)+SynScan WiFi、 ASI294MC+ASIEFW, QHY5II, JoyStick を接続することができました。

2019年11月26日 追記

SynSCan WiFi のAdhock 接続だと外部のNetwok に繋がっていないので同時にインターネットで調べたりすることができません。結局赤道儀との接続は以前使用していた EQDirect のUSB接続に戻すことにしました。備忘録として設定値のスクリーンショットを載せておきます。

ThinkPadのKeyboardの配列はOADG 109 配列となっています。US Keyboard とは違う配列なのでこちらの方を指定しています。

1. Ubuntu Keyboard 設定

以降はEkosの構成画面です。

2. KStars 画面

3. KStars Profile

4. Joystick

5. ASI EFW

6. EQMod Mount

7. EQMod Mount Connection 情報

8. QHY CCD

9. QHYCCD General Information

10. ZWO CCD

11. ZWO CCD General Information

12. Camera

オートガイドにはPHD2を使用しています。

13. PHD2

14. PHD2

INDI on Windows10 Pro

Raspberry Pi 3 Model B+ 上に StellerMate 1.4.4 を導入済みなのですが、動作が若干遅いので普段の撮影は Windows 環境を利用しています。新たにPCを購入するのはもったいないので、手持ちの ThinkPad Windows 10 Pro の Hyper-V (仮想環境) を利用して Ubuntu 18.04.3 LTS を導入しINDIサーバーを構築してみました。ThinkPad の BIOS 上で Virtualization Technology を有効にした後で、Hyper-Vマネージャーで設定し Ubuntu 18.04.3 LTS の導入すると利用可能となります。 INDI Library と KStars を導入すると 1台のPCで Windows 環境と Linux の両方の環境を構築することができます。

Ekos の構成はまだですが、時間があるときに順次実施しようと思います。

2019年11月22日 追記

Ekos の設定を実施してみました。SynScan WiFi経由でSkyExplorer II の制御は問題なく動作するのですが、Windows 10 Pro (Host Machine) に接続したUSB Device との通信が正常に動作しません。CCDカメラ、Joystick 等ほとんどのDevice がUSB接続なので Hyper-V で Ubuntu 上の INDIサーバーを利用するのはハードルが高そうです。したがってこの作戦は 失敗 に終わってしまいました。冷静に考えてみれば Hyper-V のような仮想環境はサーバーを動作させるのが目的なのでNetworkやVirtual Disk が正常に動作すればいいわけです。個人使用のDeskTopの環境を仮想環境で稼働させることはあまり考えられていないのですね。

次の作戦として Windows 10 と Ubuntu の Dual-boot による共存を試してみました。あたりまえですが、Dual-boot 方式だとすべての機器は直接接続されていますので、問題なく完了しました。あいにくの天候なので実戦で試すのはもう少しあとになりそうです。